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アベノミクスが高市総裁を生み、小泉進次郎を敗北に追いやった理由【林直人】

自民党の両院議員総会であいさつする高市早苗総裁(2025年10月14日)

 

■巨額債務の「報復」:アベノミクスの光と影が引き裂いた日本の政治地図

 

 日本の政治は今、単なるイデオロギーの対立ではない、もっと深遠な構造的変化の渦中にある。

 かつて、デフレ脱却の救世主と持て囃されたアベノミクスが、その終焉において、グローバリズムの象徴たる小泉進次郎氏のような候補者を敗北へと追いやり、「ウルトラナショナリスト」と評される高市早苗氏を頂点へと押し上げた。

 この劇的な政治的変容は、個人のカリスマや政策論争の範疇を超え、レイ・ダリオが解き明かした「巨大債務サイクル(Long-Term Debt Cycle, LDC)」の最終局面に日本が到達したことによる、不可避の構造的帰結として読み解くことができる。

 

■巨大債務サイクルが産み落とした「持つ者」と「持たざる者」の断層

 

 ダリオのLDC理論は、経済を「病気の進行」として捉える。日本はGDPの200%を超える巨額の政府債務を抱え、まさにこのサイクルの「トップ」段階で長らく停滞してきた。

 この危機に対処するため、日本銀行(BOJ)は金利がゼロになる限界(ゼロ金利制約、ZLB)を超えて、国債を大量に買い入れる「量的緩和(QE)」という異例の手段を推し進めた。アベノミクスの下で極限まで加速されたこのQEは、一時的に市場に活気を取り戻したものの、その代償は巨大だった。

 ダリオの警告通り、QEは金融資産価格を押し上げ、株や不動産を保有する「持つ者(ハブズ)」のエリート層に莫大な富をもたらす一方で、その恩恵を受けられない大多数の「持たざる者(ハブノッツ)」の層との間で、富の格差を構造的に拡大させた。

 金融資産インフレの恩恵を受けない彼らは、賃金の上昇を実感できず、円安による生活費の高騰という形で、政策のツケを払わされたのである。

 この経済的断層こそが、政治的対立の火種となった。

次のページ小泉進次郎の「挫折」:グローバリスト・エリートへの大衆の報復

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高市早苗著『アメリカ大統領の権力のすべて』

 

★初の女性新首相・高市早苗「政治家の原点」がここにある★

アメリカ大統領の権力のすべて』待望の新装重版

 

民主主義国家の政治をいかに動かし統治すべきか?

◎トランプ大統領と渡り合う対米外交術の極意とは?

★政治家・高市早苗が政治家を志した原点がここにある!

 

「日本は、国論分裂のままにいたずらに時間を食い、国家意志の決定と表明のタイミングの悪さや宣伝下手が災いし、結果的には世界トップ級の経済的貢献をし、汗も流したにもかかわらず、名誉を失うこととなった。

 納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。

 私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。

 (中略)

 そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。

 「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力?  首相のメディア・アピール能力?  国民の権利を保証するマトモな選挙?  国民の参政意識やそれを育む教育制度?

 課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。

 (中略)

 本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」

(「はじめに」より抜粋)

◉大前研一氏、推薦!!

 「アメリカの大統領は単に米国の最高権力者であるばかりか、世界を支配する帝王となった。本書は、連邦議会立法調査官としてアメリカ政治の現場に接してきた高市さんが、その実態をわかりやすく解説している。」

ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER

How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.

<著者略歴>

高市早苗(たかいち・さなえ)

1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。

 

 

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林直人

はやし なおと

起業家・作家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校出身。独学で慶應義塾大学環境情報学部に入学(一般入試・英語受験)。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶應・上智を中心に合格者を多数輩出している(2021 年早慶上智進学者38 名・7/20 時点)。著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)、『人間ぎらいのマーケティング人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)などがある。連絡先:https://x.com/everydayjukucho

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